
鉢に植え替えたら植物がくたっとしてしまった。



地植えしている草花を別の場所に植え替えたら葉が大量に落ちた!
こんな経験をしたことがあったら、それは移植を嫌う植物を植え替えたことが原因かもしれません。
ポット苗を買った際についていているタグに「移植を嫌います」と書いてあるのを目にしたことはありませんか?「移植を嫌う」というのは「植え替えを嫌う」ということ。
では植え替えを嫌う植物とは何でしょうか。そして植え替えを嫌うのは何故なのでしょうか。
・移植を嫌う植物とは?
・移植を嫌う植物の植え替えはどうしたら良いか?
上記疑問についての答えは以下になります。
・移植を嫌う植物は直根性の植物。
・移植を嫌う草花の植え替えは根をいじってはいけない。
この記事で、それぞれ詳しく解説していきます。
また、実際にどんな植物があるのかもご紹介します。
私は園芸店に4年勤務、寄せ植え教室講師をしていました。
特に寄せ植えでは根をたくさんいじることがあるので、その植物が移植を嫌うかどうかを知っていることはとても大切なことでした。
お客様や生徒さんにお伝えしてきた移植を嫌う植物について解説していきたいと思います。



移植を嫌う植物の特性をしって、植え替え時の失敗をなくしましょう!
移植を嫌うのは直根性の植物
植物の根の性質は大きく分けて2種類あります。
・直根性
・ひげ根性
上記のうち、直根性の植物は移植を嫌います。
直根性(ちょっこんせい)は、ダイコン、ゴボウなどのように、根が途中で分かれることなく、まっすぐに伸びる性質である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B4%E6%A0%B9%E6%80%A7
ゴボウをイメージしていただくと分かりやすいですね!
直根性の植物は基本的に一本の根を太く真っすぐ伸ばしていきますから、この根を傷めると地上部の植物本体が枯れる原因になってしまいます。
ちなみに、「ひげ根」の植物は細かい根がいくつも分かれて張る性質のもの。
ビオラ・パンジーが代表的です。
ポット苗をはずすとびしっと細かい白い根が張っているのを見たことがあると思います。
根がいくつも分かれて伸びていくので、株を分けたり、多少根をいじって一部の根を傷めても、他の根でリカバリーが効くため致命傷とならず、植え替え時に扱いやすいのです。
ひげ根性の植物についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでよろしければご参照ください。



とはいえ、ひげ根性の植物も大半の根を傷めると弱るので、丁寧に植え替えしてあげるのは大切です。
移植を嫌う草花を植え替えるコツ
ポット苗から植え替える場合
根鉢をいじったり崩したりせず、そのままそっと鉢や花壇、地面に植えます。
具体的な植え替え方法は植え替えのコツを詳しく解説した記事を参考にしてみてくださいね。
地植えや鉢から植え替える場合
基本的には植え替えはしないのが無難です。
ただし、宿根草や落葉樹などで休眠期であれば比較的安全に移植可能な場合もあります。
休眠期とは植物が成長を停止している時期です。
多くの植物が冬に休眠期を迎えますが、植物によって夏に休眠するものもあります。
植え替えをする場合は植物ごとに適した時期を調べてから行いましょう。
移植を嫌う草花24選
それでは、実際に移植を嫌う園芸品種にはどんな植物があるのか見てみましょう。


①カレンデュラ
一年草扱い
キク科
開花期:12月~5月


④ワスレナグサ
一年草
ムラサキ科
開花期:3月~6月


⑤ニゲラ
一年草
キンポウゲ科
開花期:4月~7月上旬頃


⑥ナスタチウム
一年草
ノウゼンハレン科
開花期:4月~7月、9月~11月上旬


⑨オルレア
一年草
セリ科
開花期:4月~7月


⑩オダマキ
宿根草
キンポウゲ科
開花期:5月~6月


⑪ヤグルマソウ
一年草
キク科
開花期:4月~7月


⑫スイートアリッサム
一年草
アブラナ科
開花期:9月~5月頃


⑬ネモフィラ
一年草
ムラサキ科
開花期:4月~5月


⑭イベリス
多年草
アブラナ科
開花期:4月~6月


⑮ギリア
一年草
ハナシノブ科
開花期:4月~6月


⑯クレマチス
落葉樹
キンポウゲ科
開花期:4月~10月


⑱ニチニチソウ
一年草
キョウチクトウ科
開花期:5月~11月


⑲イタリアンパセリ(通常のパセリも)
二年草
セリ科
開花期:6月~7月


⑳フェンネル
多年草
セリ科
開花期:6月~8月


㉒アサガオ
一年草
ヒルガオ科
開花期:7月~10月


㉓ヒマワリ
一年草
キク科
開花期:7月~9月


㉔ケイトウ
一年草
ヒユ科
開花期:7月~11月
移植を嫌う植物は他にもありますが、おおまかにマメ科、セリ科、ムラサキ科、アブラナ科、キンポウゲ科、キク科の植物に直根性が多いので、そういった覚え方も一つです。
移植を嫌う草花まとめ
いかがでしたでしょうか。
植物の根の性質は、大きく「直根性」と「ひげ根性」の2つの性質があります。
直根性の植物は1本の根を太く真っすぐ伸ばして成長していくため、移植や植え替えの際に根を傷めてしまうと致命傷になってしまいます。
直根性の植物を植えつける際は、基本的にはその場所に定植させる前提で植えましょう。
また、ポット苗から植え替える際は根を出来るだけいじらず、そっと植え替えましょう。
直根性の植物は根を思いっきりいじる複雑な寄せ植えやハンギングバスケットにも不向きなので覚えておくと便利です。



逆に直根性の植物以外は根をいじっても大丈夫なので、知っておくと寄せ植えのアレンジメントの幅も広がりますね。

