・ポット苗を買ってきたけどどうやって鉢に植え替えるの?
・鉢植えには何が必要なの?
・失敗しない鉢植え方法を知りたい
この記事では、初めて鉢植えをする方でも簡単に植え替えをマスターできる方法を、徹底解説します。
今まで自己流で鉢植えをしていて、なんとなく上手く植物が育てられないという方も、大切なコツについて解説しているので必見です!

園芸店に4年勤務、寄せ植え教室講師をしていた私から、
お客様や生徒さんにお伝えしてきたことを徹底解説しちゃいます!
植え替えに適した時間帯は?
外で植え替え作業を行う場合は、直射日光があたらない場所で作業するのがベストです。
ただ、そういった良い場所がない場合は、時間帯で工夫してあげます。
植え替えは午前中もしくは夕方以降に行う
植え替えは、植物にとってはこれまでいた住まいが変わるため、ストレスがかかります。
また、植え替える際に根が外に出るタイミングもあるため、出来るだけ直射日光のあたらない場所で行うのが望ましいです。
それでも日があたってしまう場合は、午前中の優しい日差しの中で行うか、
日が傾いた夕方以降に植え替えするようにしましょう。
鉢植えに必要なもの
まずは必要な道具を用意しましょう!
【鉢植えに必要なもの】
・ポット苗
・鉢
・培養土
・鉢底石
・鉢底ネット
・土入れスコップ
(なければシャベルでもOK)
・ジョーロ


上記7点は必ず用意しましょう。
土入れスコップは、持っていない方もいらっしゃるかもしれません。
その場合は砂場でお子さんが使うようなシャベルでもまずはOKです。
ただ、鉢に土を入れる際、土入れスコップは細かい作業がしやすいので、追々揃えていくことをおすすめします。
【あると便利なもの】
・園芸用グローブ
(なければ軍手やゴム手袋、ビニール手袋でもOK)
・バケツ
・園芸シート


上記3点はなかったら、植え替えできないというものではないですが、あると作業がスムーズになるのでお持ちでしたら是非使ってください。
園芸用シートは、土をこぼしても周りが汚れずとても便利です。
バケツは土を入れると作業がスムーズになって便利です。
袋から直接入れるのは、意外とやりづらいのです。


鉢の大きさは、苗の一回り大きなサイズを用意しましょう。
今回は直径9cm(3号鉢苗)のペチュニアに、直径15cm(5号鉢)を用意しました。


ガーデニングで揃えるべき道具について詳しくはこちらの記事もご参照ください。
ポット苗を鉢に植えつける手順



それではいよいよ植え替えをしていきましょう!
植え替え手順① 鉢底ネットをセット
鉢底ネットの役目は、鉢底穴から土がこぼれないようにすることです。
まずは鉢の底にある鉢底穴の大きさをチェックします。


水はけを良くするため、鉢底穴はしっかり空いている鉢を使うといいですよ!
鉢底穴より一回り大きく鉢底ネットを切って、鉢底に置きます。


四角に切ればOKです。ただし鉢底ネットは、小さく切っても、大きく切ってもNGです。


・小さすぎると鉢底から土がこぼれてしまったり、土入れの際ずれてしまいやすくなるため。
・大きく切りすぎると鉢底でネットが浮いてしまい、鉢底まで土がしっかり入らないため。
鉢底穴をカバーできて、ネットが安定する大きさに切りましょう。
植え替え手順② 鉢底石を敷く
鉢底石の役割は、水はけや通気性を良くし根腐れを防止することです。
鉢底に軽石を入れます。
入れる量は厳密には鉢の大きさや、育てる植物によって調整しますが、目安として鉢の深さ5分の1くらいの感覚でOKです。


植え替え手順③ 鉢と根鉢の高さを確認する
ポット苗を鉢に仮で入れ、高さを確認します。


軽石の上に土を入れる前に、根鉢の高さと鉢の高さを確認し、鉢底に入れる土の量を目分量で決めます。
鉢の縁から3~5cmはウォータースペースがとれるようにします。水やりをする際、水圧で土がこぼれないようにするためです。
植え替え手順④ 土を入れる土を入れます。
先ほど確認した量の土を鉢底に入れます。


植え替え手順⑤ ビニールポットから根鉢を取り出す
片方の手で株元をそっと持って、もう片方の手でビニールポットをそっと外します。
この時、根が崩れないように、また根を直接いじらないようにすることが基本です。


実際は根をいじられても大丈夫な植物と、いじられるのが苦手な植物がありますが、「根をいじらず、そっとビニールポットを外す」が基本です。
根をいじられすぎると、植物にとってストレスが過多にかかり、その後の生育が困難になることもあるので注意しましょう。



まずは基本をマスターしちゃいましょう!
植え替え手順⑥ 根鉢の表面を綺麗にする
ビニールポットをはずしたら植える前に、根鉢の表面を綺麗にします。
ここの工程は自己流だと省いてしまっている人も多いと思うのでチェックポイントです。
根鉢の表面の見た目が綺麗な場合でも、表面の土をすっと撫でて薄く落としましょう。


雑草や苔が生えている場合は、その部分を取り除きます。
画像は別の苗ですが、意外と雑草や苔が生えてしまっている苗は多いので要注意です。


根鉢の表面は多少根をいじったり、取ってしまっても大丈夫です。
植え替え手順⑦ 根鉢を鉢に入れる
根鉢を綺麗にしたら鉢に入れます。この時、ウォータースペースが3~5cmにならなそうであれば、土の量を調整してあげます。


植え替え手順⑧ 土を入れる
いよいよ土を入れていきますよ!
根鉢と鉢の間を埋めるように土を入れていきます。


根鉢の表面を軽く覆うくらいまで土を入れます。
この時、根鉢と鉢の間にすきまが出来ないようにすることが大事です。
ふわっと入れてしまうと、水やりをした際、水圧で土がこぼれて根鉢の表面がむき出しになってきてしまいます。
根鉢の表面が乾燥してしまうと、そこから根が枯れこむ原因となるため、表面が土で軽く覆われていることが大切です。


また、ぎゅーっと土をつめすぎはNGです。
根は呼吸しているため、土の中に酸素が通る隙間が必要です。
あまりぎゅっぎゅと土をつめすぎてしまうと、土の中に酸素の通り道がなくなってしまいます。
根鉢と土の間に軽く指を入れて、押したら指が簡単に土の中に入っていかない程度、ただし土を押しつぶさないように土をいれていきます。
鉢を両手で持ちそっとトントンする。
土を入れ終わったら、仕上げに鉢を両手でもって、優しくトントンと鉢を作業台や地面などにたたいて、土が鉢の中にまんべんなく行きわたるようにします。


根鉢の表面が軽く土で覆われ、ウォータースペースもきちんととれていたら植え替え作業は終了です。



ここから、次の工程がとても大切なので見逃さないでくださいね。
鉢に植え付け後の大事な作業【超重要】
植え替えお疲れさまでした!
でもここで終了ではありません。
次の工程が、この後の植物の生育にとってとても大切なので、しっかりチェックしてくださいね。
植え替え後の作業① 水やり
鉢に植え終わったら水やりをしますが、この最初の水やりがとても大切なのでマスターしましょう!
ジョーロのハス口(はすくち)を取る
ジョーロはハス口を必ず取りましょう!
ハス口はシャワーのように水を出すためのものです。
多くのジョーロにはこのハス口がついていますが、水やりの際は基本的にこのハス口を取りましょう。
私はジョーロのハス口はほとんど使っていません。





ハス口でシャワー状に水やりをすると、水が分散され
土の中までしっかり水が行きわたりずらくなるためです。
水やりをする。
土が水圧で外にこぼれ出ないように、小分けにしてそっと水をあげます。
水やりのポイントは、水をあげる時はたっぷりあげること!



でも、たっぷりってどれくらい?
水をたっぷりあげるとは、鉢底から水が出てくるまであげること。
ただ、植え替えたばかりの土は乾いているため、水分が浸透しにくいです。
そのため、一度鉢底から水が出てきたくらいでは、土の中に湿った部分とまだ乾いている分とがまだらにになり、水分が土全体に浸透していない場合が多いです。
土全体にしっかり水が浸透するように次の手順で水をあげます。
①土がこぼれないように、小分けに水をやり、鉢底から水が出てきたら一度水やりを止めます。
②鉢底から水が止まったら、もう一度一回目と同じくらいの量の水をあげます。
③鉢底から水が出るのが止まったら水やり終了です。


大きい鉢に植え替えた場合などは、植えかけ後の水やりは上記の水やりを3~5回くらいあげても良いと思います。
植え替え直後は特に土全体に水を浸透させることがとっても大切です!
植え替え後の作業② 植物の養生
水やりが終わったら、植物を養生してあげます。
植物の養生とは、植物が植え付け後、
健康に育っていくためや、疲れて弱ってしまっている場合に対策をしてあげることです。
植え替えたばかりの植物は住む家が変わって、環境が激変した状態です。
そのため、植え付け後翌日までは直射日光があたらない場所で管理し、一晩休ませ養生します。
翌日は午前中から日に当てて大丈夫です!
苗を鉢に植え替えする方法まとめ


鉢の植え替えと言っても、意外と注意点やポイントがあります。
時間帯、土入れまでの作業、土入れのコツ、水やりのコツ、そして養生してあげること。
一つ一つは小さなことですが、これらをしっかりしてあげることで、その後の植物の生育が大きく変わります。



植え替えをマスターして、ガーデニング上手になっちゃいましょう!
植え替え後の水やりについてはこちらの記事をご参照ください。



